2024/10/13
少子高齢化が進み、労働人口の減少に歯止めがかからない昨今、優秀な人材をいかに確保・定着させるかは避けて通れない課題ですよね。また、働き方改革の推進により、ワークライフバランスに対する意識も高まっています。このような問題や変化に対応するために、介護業界でも多くの施設や事業所が福利厚生を強化しています。
福利厚生は、給与や賞与などの基本的な労働報酬に加えて、従業員とその家族に提供されるサービスのようなものです。健康保険や産休・育休制度、スキルアップのための書籍購入やオンライン学習サービス、チームワークを強化するためのランチ代の支給、また、通勤手当や家賃補助のように従業員の家族も喜ぶような福利厚生もあり、その内容は多岐にわたっています。
福利厚生は「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の2種類に分けられます。2つの違いについて詳しく説明しますね。
「法定福利厚生」は法律で義務付けられている福利厚生です。すべての企業に設けられている最低限の福利厚生制度であり、なければ法律違反となるため、必ず導入しなければなりません。主な法定福利厚生は「健康保険」「厚生年金」「雇用保険」「介護保険」「労災保険」「子ども・子育て拠出金」の6種類です。
一方、「法定外福利厚生」は施設や事業所が独自に設定した福利厚生です。例えば、通勤手当や家賃手当、扶養手当、資格手当、地域手当、皆勤手当のような各種手当のほか、社員旅行やレクリエーションなどの現物支給、従業員持株会や住宅取得融資などの財形貯蓄・融資などいろいろあります。
これらの法定外福利厚生の充実は競合他社と差別化する重要な要素であり、従業員の満足度を高めることにもつながりますよ。
福利厚生の目的は、「人材確保」と「離職防止」の2つです。福利厚生の充実により、採用力の強化や定着率の向上につながるため、優秀な人材を確保できます。また、従業員の健康や生活をサポートし、働きやすい環境を提供することで、優秀な人材の流出も防げます。
原則として、雇用されているすべての従業員が福利厚生の対象となります。正社員だけでなく、パートやアルバイト、派遣労働者、その他の非正規労働者も平等に利用できますよ。これは「パートタイム・有期雇用労働法」や「労働者派遣法」で義務付けられており、雇用主は正規労働者と非正規労働者が「同一の職務」に就く場合、同一の福利厚生などを行うことが定められているからです。