2024/10/15
福利厚生は求職者に対するアピールの一種でもあるため、福利厚生に力を入れることで採用力が強化されます。例えば、「職場から徒歩10分以内に住む従業員には家賃を半分補助する」といった制度があれば、満員電車で長時間かけて通勤している方からは大変喜ばれるでしょうね。
職場が快適で働きやすい環境であれば、そこで働く従業員は業務に集中できるため、生産性もアップします。また、他人に気兼ねすることなく有給休暇を取得できたり、家族の誕生日など特別な日に遠慮なく休暇が取れたりできる環境は、仕事とプライベートのバランスが取りやすいため、オンとオフの区別もはっきりするでしょう。休日に疲れを癒やしリフレッシュすることで前向きな気持ちで業務に取り組めるようになりますよ。また、従業員にとって働きやすい環境は職場に対する満足度も高まるため、簡単に辞めようとは思わなくなり、離職防止にもつながります。
福利厚生が充実している=従業員やその家族を大切にする職場、と好印象を与えるため、イメージアップにもつながりますよ。考えてみてください。日常的に残業を強いている職場は、従業員を大切にしているといえるでしょうか?そのような職場では誰も働きたくないですよね。従業員の心身の健康は考えず、利益だけを追求するような職場は明らかにブラック企業であり、社会的信用に欠けるといえるでしょう。
福利厚生は従業員の健康や安定した生活をサポートする制度なので、スポーツクラブの利用割引など従業員の健康を保持・増進することを目的とした福利厚生を導入しているところもあります。しかし、体調を崩して定期的に通院が必要な従業員や、精神疾患で業務を遂行できない従業員を支援する制度を導入しているところはまだそれほど多くありません。それでは病気になっても安心して治療を受けることはできませんよね。ゆっくり休息が取れる制度があれば、病気による休職や退職を防ぐことにもつながるでしょう。
福利厚生にかかる費用が一定の条件を満たし、「福利厚生費」として認められた場合、「経費」として計上できます。福利厚生費とは、「役員および従業員に対して福利厚生を行うことを目的とした、給与および交際費以外の間接給付のための費用項目」です。費用として計上できれば法人税の算出根拠となる利益を引き下げ、法人税が安くなります。ただし、福利厚生の費用が福利厚生費用として認識されるためには、社内ルールが整備されていること、全従業員を対象としていること、社会通念上許容される範囲内であること、の3つの条件を満たしていなければなりません。