2024/11/21
福利厚生には法律で義務付けられている法定福利厚生と、法律で義務付けられていない法定外福利厚生の2つあることをお伝えしました。これらは「法律で義務付けられているかどうか」の違いはあるものの、役職や職歴に関係なく、すべての従業員が平等に利用できます。
それに対し、手当は「特定の条件を満たす従業員のみが利用できるもの」です。つまり、条件に該当しない人は対象外となるんですね。
手当には法律で義務付けられている手当(残業手当、深夜残業手当、休日出勤手当)と法律で義務付けられていない手当(住宅手当、通勤手当、家族手当など)があります。法律で義務付けられていないものは支給する義務はありませんが、通勤手当などは一般的に福利厚生として扱われることが多いため、福利厚生と手当を混同する方もいるのかもしれません。
次に、どのような福利厚生や手当が課税対象で、なにが非課税対象なのかを詳しく解説していきます。
福利厚生で課税対象となるものは、電車通勤が月額15万円を超える場合の交通費、または職場から2km以内で車や自転車で通勤する従業員に交通費を支払う場合です。非課税となるものは健康保険や子ども・子育て拠出金などの法定福利厚生ですが、従業員が支払う健康診断の費用は課税対象になるので注意が必要です。
また、法定外福利厚生に当てはまるものでも条件によっては非課税になるものもありますよ。例えば、健康診断の費用について。健康診断は法的に義務付けられている福利厚生の一種です。そのため、施設側が病院に対して費用を支払う場合は非課税となりますが、従業員が自分で病院に支払う場合は課税対象となります。また、「全従業員が受診できる」「費用を施設側がすべて負担すること」「健康診断の内容が常識的に健康上必要なものである」の3つの条件にすべて該当していなければなりません。
そうそう、社員旅行についても場合によっては課税対象となることもあるので気をつけてくださいね。社員旅行は「旅行期間が4泊5日以内」「参加者が全従業員数の50%以上」という条件を満たしていれば非課税となりますが、自己都合で旅行を欠席した従業員に現金が渡された場合や接待旅行、役員のみの旅行は課税対象となります。
社宅や寮が完備されている場合も注意が必要ですよ。賃貸料相当額の算出方法によって算定された金額の50%以上を従業員から徴収した場合は非課税となりますが、50%未満を徴収した場合は課税の対象となることも。
一方、手当で課税対象となるものは、通勤手当や家族手当、役員手当、住宅手当、残業手当、深夜残業手当、休日出勤手当など「手当」とつくものはほとんどがそうです。ただし、「一定額(月額15万円未満)未満の通勤手当」「転勤、旅行、業務上の出張に際して発生する費用」「日直や宿直の勤務がある場合、勤務1回につき4,000円まで」は非課税となります。